手術後の注意点について
白内障手術後にはいくつか注意点があり、それを守ることで普段通りの生活を送れるようになっていきます。医師の指示に従っていただくことが基本ですが、目安となる注意点をご紹介します。
日常生活
- 紫外線や塵・埃から目を守る必要があります。そのため、手術後1ヶ月間は保護眼鏡を着用いただいています。保護眼鏡は、術後1週間、夜間にも着用します。これは、寝ている間に目をこすってしまわないよう保護するためのものです。
- テレビや読書は手術の翌日まで控えます。
- 仕事の再開は、事務などであれば3日後から、重労働の場合は2週間後以降に医師の許可が出てからとなります。
- 飲酒・喫煙は、術後1週間控えます。
- 車や自転車の運転は、1週間後以降に医師の許可が出てからとなります。
- メイクは術後1週間、控えます。なお、パーマや染髪は2週間、控えていただきます。
- 草むしりなど戸外の作業は術後2週間、控えます。
- 旅行や出張に関しては、近距離であれば術後1週間後以降、遠距離では2週間後以降となります。
入浴
ご自宅での入浴に関する目安です。
手術の翌日
- 体:タオルで拭くことは可能
- 顔:タオルで優しく拭くことは可能
- 頭:洗うことはできません
手術の2日後
- 体:首から下のシャワー可能
- 顔:タオルで優しく拭くことは可能
- 頭:洗うことはできません
手術の3日後~
- 体:首から下の入浴ができます
- 顔:タオルで優しく拭くことは可能
- 頭:洗うのは可能
手術の1週間後以降
- 体:普段通りの入浴が可能
- 顔:洗うことができます
- 頭:洗うことができます
温泉やサウナには手術2週間後から可能です。
運動
再開時期の目安です。
- 3日後:散歩
- 1週間後:ラジオ体操などの軽い体操、釣り
- 2週間後:ジョギング
- 1ヶ月後以降:ゴルフ・ゲートボール・テニス・登山などのスポーツ(保護用眼鏡の着用が必要です。)
- 医師の許可が出てから:水泳
食事・恰好品
控える必要がある期間
翌日まで:コーヒーやお茶などカフェインを含んだもの
術後3日後:ワサビ、唐辛子、コショウなど刺激の強いもの
手術後のケア
白内障の手術を受けたら、感染症を防ぐケアや術後の見え方に合わせた眼鏡選びなどが必要になってきます。
点眼薬
眼内炎などの感染症を防ぐために、術後の点眼がとても重要になってきます。
当院では、感染を予防するための点眼薬、そして炎症を抑えるための点眼薬の2種類を処方しています。このうち、炎症を抑えるための点眼薬は、経過を観察しながら種類を変更していきます点眼の必要がある期間は2~3ヶ月程度です。きちんと点眼して自己管理し、医師の指示を守りましょう。
眼鏡
単焦点眼内レンズの場合
単焦点眼内レンズにはピントを調節する機能がほとんどありません。裸眼で遠くが見える単焦点眼内レンズであれば、近くを見る際に必ずぼやけてしまいます。その場合、近くを見るための眼鏡をかけることが必要になりますが、手術前にかけていた眼鏡ではほとんどが合わなくなるため、新しい眼鏡が必要になります。当院では、乱視の状態や生活習慣などに合わせて、適した眼鏡をご提案しています。
多焦点眼内レンズの場合
近くと遠くの両方にピントが合いますので、日常生活では眼鏡がなくてもほとんどの場合、不自由はないと思われます。ただし、乱視が強い場合などは、眼内レンズで十分に乱視を減らしきれないことがあり、そうした際には眼鏡が必要になります。また、刺繍や編み物など目の前20cmくらいの距離で細かい作業をよくされる方や、ライフスタイル、生活習慣によって眼鏡の使用が適している場合もあります。
術後の眩しさ
それまでぼんやりしていた視界がクリアになるため、眩しさを強く感じるようになる場合もあります。当院では、白内障手術後の眩しさやそれによる目の疲れを軽減できる眼鏡をご案内していますので、ご相談ください。
後発白内障について
白内障手術後の数カ月から数年にかけて、「後発白内障」という病気が起こることがあり、再び見えにくくなることがあります。白内障手術で眼内レンズを入れた「水晶体嚢」という袋に残っていた細胞が増殖して濁ってくることにより起こる、特殊な白内障です。
後発白内障は、レーザーを水晶体嚢に当てて破るだけで、再びクリアな視界を取り戻すことができます。他院で受けた白内障手術であっても、後発白内障の症状がありましたらお気軽にご相談ください。